感性科学実験室
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技研便り





このコーナーでは、技術研究所をはじめとしますマイコムの技術現場の最新情報を紹介します。

第3回目はマイコムニクス研究室で行っている感性科学実験室での研究風景を紹介します。

研究趣旨

 マイコムでは、近未来の社会に相応しい技術のあり方を考えてきました。その結果、人の感性を融合させた技術の必要性を確信しました。
 このようなことから、現在の技術に人の感性を融合させるための概念や原理を探求するため、感性科学実験室を設けました。
 感性科学実験室での実験は、既存技術への融合、推論コンピュータや意識ネットワークといった次世代情報システムの試作機の開発、そして健康や福祉といったライフサイエンス分野での技術開発を目指しています。

現在の研究内容
 人の精神的ストレスの本質を解明し、精神的健康を支援するシステム、快適な生活空間を支援するシステム、快適な福祉社会を支援するシステム、快適な学習環境を支援するシステム等の研究を行っています。

実験室のシステム・実験方法
 様々な感性刺激を与える設備(照明、空調システム・映像メディア・人工太陽光発生システム、マッサージ機等)を用いた感性空間における様々な感性刺激の変化に応じた反応を検知する為に脳波・体温・血圧・心拍などの測定を行っています。

実験システム構成
実験用環境空間

電極取り付け状態
電極取り付け状態
観測風景
脳波測定用電極を取り付けた状態

実験中の風景(リラックス状態での脳波測定の様子)

α波観測図1
α波のレベルが高く観測され、リラックス状態の脳波

β波のレベルが高く観測され、活動状態の脳波

 人の意識器官は、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚を知覚する感性意識、推論・判断を司る理性意識、本能的な知識を記憶している本性意識、学習・経験による知識の記憶を司る知性意識から成り立っています。

 感性意識は五感からなる感覚器官から得る情報を知覚し、自律神経の影響を受けながら理性意識で本性意識や知性意識にある知識と照合させて思考を行っていて、意識器官の機能低下や自律神経である交感神経と副交感神経の”ゆらぎ”的なバランスを失うと、疲労やストレスが増加します。

 このようなことから、この研究によって、意識器官の機能を活発にすることと自律神経である交感神経と副交感神経の”ゆらぎ”的なバランスを整える事が可能となります。

 その結果、疲労やストレスの解消はもとより、健康維持に必要な身体機能を高め、学習や仕事への意欲の増進が図れます。この研究では、これまでの健康維持・増進を目的とした器具やシステムとは違い、感覚器官や意識器官の全てを総合的に捉えたものであり、様々な環境・目的で使用できる総合的な支援システムの構築を目指しています。